通訳案内士2次試験 通訳問題 メモは取るべき?取らないべき?

2021年6月14日

こんにちは。かずです。日本語で読み上げられた文章を、1分程度で外国語に通訳する、2次試験の通訳問題。「メモをとってもかまいません。」と試験では案内されますが、実際は、みなさんどんなメモを取っているのでしょうか?今日は通訳の「メモ」についてです。

通訳の持ち時間は、1分~1分30秒

通訳の発表にかける時間は1分から1分30秒。つまり、メモを取る外国語の分量も、時間にしたら、1分程度のものです。メモは取っても取らなくてもよいので、中には「すべて頭で暗記する」という人もいます。

「メモを取らない派」もいます

メモを取らない!という人の理由は「書くのに夢中になって、聞き取りがおろそかになってしまうから。」「一生懸命書き取りをしても、いざ通訳しようと思うと、自分で書いた字が読めない。頭にも残っていないので、何を書きたかったのか、まったく覚えていなくてパニックになるから」。聞きとった日本語を、ひたすら「文字起こし」しようとする人に多いです。

みなさんも、実際に、「落ち着いたアナウンス」程度の日本語を聞きとりながら、メモをとってみると、わかると思います。聞き漏らしのないように!と頑張れば頑張るほど、字がゆがんで、原型をとどめていない。あとから見たら、何を書きたかったんだろう、自分?? 誰もが一度は経験することです。

だからといって、まったくメモをとらずに記憶だのみ、というのも不安が残りますね。メモに頼らない、という人でも、全体の内容は頭に入れるけれども、絶対間違えてはいけない「数字」「固有名詞」などは、メモに残しておく、という「暗記メイン、大事なポイントはメモ」派もいます。これなら勘違いすることもなくて、安心ですね。

たかがメモ、されどメモ。試験官が日本語を読み上げるのに合わせて、一言一句を書きとろうと意気込みすぎても、話すスピードには追いつきません。ではみなさん、どのようにしてメモの取り方を工夫しているのでしょうか。

プロの通訳が実践しているメモの取り方を参考にする

プロの通訳の方たちは、どのようにしてメモを取っているのでしょう?メモの取り方には決まったメソッド、というのはなく、みなさん、現場での経験を積みながら、自分のやりやすい方法を考え、カスタマイズしているようです。私も通訳の方たちのブログを読んだりして、使っている記号を参考にしたり、自分なりのルールを作っていました。

そういうプロの通訳の方たちのメモは、字のかたまりである「メモ」というより、「絵」や「暗号」みたいに見えます。記録するための文字ではなく、あくまでも、その会話のイメージを残しておくためのスケッチのような印象です。

たとえば、以下のようなものです。

*好き、人気がある、楽しい、といったワードには 「♡」

*上昇、うわむき、下降、下り坂、といったワードはベクトルで示す「↑」「↓」「⤴」「⤵」。横ばい、据え置き、現状維持なら「→」であらわせる。

*ビル、美術館、学校、などの「大きな建物」系は「□」

*決まった単語の置き換え。たとえば、「can」は、すべて△に置き換える、など。

*過去形なら、動詞のあとに「z」を小さくつける。

過去形は、なぜ「z」なのかというと、過去の動作はすべて「済んでいる」から、「済み」→音にすると、「ズミ」なので、zというわけです。

ここに挙げたのは、ほんの一例です。プラス、マイナス、ポジティブ、ネガティブ。伝わりやすい、自分なりのマークを決めておくといいです。助動詞や、よく使われる動詞も、記号であらわせば、ほんの一瞬で書けます。

やり方にきまりはありません

「これ面白い、自分にもできそう」と思ったら取り入れて、それに自分が慣れるまで、何度も練習して自分のものにしてしまいましょう。「この単語はこの記号でいこう!」と決めたはいいけど、すっかり忘れてしまい、あとから見返したら自分のメモが意味不明、なんてことのないように。

メモ用紙の使い方も、自分が使いやすいのが一番です。スタンダードなやり方だと、A4サイズ1枚の紙を、たて半分におり、半分のスペースを上から下に向かって書いていく、というものがあります。もっと小さい用紙を使い、全体をスケッチブックのようにして使うというやり方もあるようです。実際の試験では、A4サイズのバインダーに真っ白なコピー用紙がはさまれたものが用意されています。

余裕で聞き取れた人が気をつけること

通訳問題で、日本語を読み上げてくれるのは、日本人の試験官です。日本語ネイティブなので、もちろん聞きとりにくさはありません。ときどき、とても聞きとりやすくて、はっきりと話してくれたおかげで、ほとんどすべての内容が記録できてしまった、という体験談をききます。ラッキー?いえいえ、気をつけてください!

完璧にメモを取れました!というくらいですから、メモの分量も多くなっているはずです。それを見ながら、ていねいに、慎重に訳していると、制限時間を超えてしまう場合があります。その場合は、途中でも「やめてください」といわれて終了しなければなりません。いくら完璧に通訳ができていても、終わった時に、全体の7割が通訳できていないと、合格基準はクリアできません。

話すスピードは、人によってそれぞれです。1分の感覚を、ふだんからタイマーなどで身につけておくことで、全体のペースをつかめるようにしておくとよいです。

机がないところでの通訳を想定して練習する

実際の2次試験では、受験者の前に机はありません。筆記試験は1次試験で終わってますし、プレゼンと通訳、質疑応答が試験内容ですから、机に向かって書く必要がないんです。

通訳の練習は、みなさんおうちの机に向かってブツブツやっていると思いますが、実際の試験では、ひざの上にバインダーを置き、メモをとる、という形になります。ノリノリで、プレゼンの段階から、立ちあがって行う、という人もいるようですが…。ひざの上でメモを取る、どんな感じになるか、事前に練習をして感覚もつかんでおいたほうがいいですね。

通訳問題の合格ラインは

通訳問題でも、各項目(文法や語彙、発音及び発声、そしてホスピタリティ!)において、7割程度できていることが、合格ラインとなります。2次試験では、通訳案内士としての適性も見られていますから、慌てた様子を見せたり、不安な自分が丸出しにならないように。そして、「訳し残し」「訳し間違い」のないように。

みなさんが試験で全力を出せるよう、お祈りしています。